何か調子悪いと、よく分からないながらお預かりしました。
刈っている最中に「カチンッ キンッ」と金属音が鳴ったと伺いました。

背負式の24cc機です。
JAブランドですが、共立KIORITZ製のようです。
まずはセオリー通りで、プラグを確認します。

ちょっと白く焼けています。焼け過ぎも良くないんです。
キャブレターのジェットが少し詰まっていて、燃料リーン(薄い)な状態かもしれません。
燃料リーンでの高回転は焼付きの危険性があるので、少し燃料リッチ(濃い)状態で使用するものです。
よってキャブレターも清掃することにします。





各部の清掃をしまして、組み立てます。
この段階では何が悪いのか分からず、一旦組み立てて試運転します。
試し刈りなのでナイロンコードを取り付けて、刈ってみます。


試し刈りで「何か変」なことが分かりました。
たしかに「何かが変」なのですが、何かです。
いつもの癖でナイロンコード刈刃を地面に押し付けたところ、エンジンストールしました。
刈刃とエンジンが直結されています。
要するに、遠心クラッチが壊れていて直結状態と予測されます。
さっそく遠心クラッチ部分を分解します。


なんと、遠心クラッチのライニング・シューが剥離しています。
ここで確信しました。「カチンッ キンッ」などの金属音は、このライニング・シューが剥離した時に巻き込んでの音です。
これはクラッチの交換になりますので、さっそく手配致します。





手配したクラッチのサイズを確認して、問題ないです。
古いクラッチ・シューの削りカスやグリースなどで汚れているため、イグニッションコイルまで外して清掃しました。
各部の清掃も済ませて、組み立てします。
マフラーガードがオーナーさんの手作り品でして、こちらも元通りに組み付けました。



試運転して問題無いようです。
更に各部のグリースアップを施して、お返し致します。